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2020.12.22 観光 景観 ブログ

旅学 ツェルマット⑤普遍的なテーマとコンセプトがあるから人を引き寄せる

ツェルマット⑤

まちを知るために、ぶらぶら歩く時間は大切だと思います。ツェルマットは、イメージとして1時間かければぐるっと回れるぐらいなサイズのまちなのと、化石燃料のいわゆるガソリン車が走っていないので、安心して歩くのに適しています。

 

この写真はメインストリートから外れた村の一角。旧村地区と呼ばれている場所です。ほとんど人が通らないので、ゆったり散歩できます。この静けさ、独り占め感は、ものすごく贅沢だと感じました。

この地区には、500年も前に建てられた高床式の家屋が合計30軒もあります。多くは16世紀から18世紀の建物で、穀物の貯蔵庫や納屋として使われていました。100年前の建物が新しいなと感じてしまう不思議空間です。

 

建材はツェルマット周辺でよく見られるカラマツが使われています。日本でも見られるねずみ返しもありました。そして石で葺かれた屋根は建物全体の重石の役目を果たしているようです。こうした説明は、景観に配慮した木製の説明版に書かれていました。ドイツ語、フランス語、英語の説明がありました。

 

 

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石畳の坂道を上り深呼吸すると、「ガソリン車が走らないまちの空気ってやっぱりきれいなんだな」と実感しました。この村で作られているおもちゃみたいな小型の電気自動車が時速20キロぐらいで駅からホテルを往復しています。夏時期は馬車が走るのです。なんて優雅。それに加え、少し郊外を周遊する住民の足であり、旅人も乗れる2系統の電気バスも走っています。徹底的に環境を守ることに取り組んでいます。

 

エコロジーをコンセプトに掲げ、変えずに続けてきたおかげでツェルマットは「カーフリーリゾート」になりました。徹底すればするほど、やればやるほど、続けるほどに共感してくれるお客様が増えています。150年かけて世界一のエコリゾートを目指した結果が、世界各国の王族がバカンスに訪れる信頼、その結果、他の追随を許さない、ブランド力を得たように思います。

 

マッターホルンがあるからお客様がこの場所を選び何度も訪れているわけではありません。

自然と共生し、静かでゆったり出来て、安心してゆったり過ごせる。その結果に健康になれる村がツェルマットです。チューリッヒやジュネーブから電車を乗り継ぎ4時間ほどかかるからこそ、一度来たら長く滞在したい。そしてリピートしたい、知り合いに伝え「口コミ」で広がる好循環が起きるのがわかった旅でした。

 

 

 

 

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