北海道と言えば昆布。その2 富山県の皆さんの昆布愛を調べてみました。
昆布の産地である北海道です。でも、昨日のブログを読んで、数人の方から、手間だから食べない道産子、浜の人が多いのが残念だというコメントを頂きました。出汁で使ってもそれを捨ててしまっている人も実は多いことを、友人知人たちと話していて知っています。昆布は食されること自体が少ないのが悲しいかな、現状なのです。
昆布の消費量や購入額を調べてみました。
全国平均は296gです。都道府県単位での消費量順でのトップ5を列記します。
1位は岩手県で657g
2位は青森県で631g
3位は山形県565g
4位が富山県534g
5位が宮城県462gでした。最も消費量が少ない47位は宮崎県で171g
そして、私たち北海道は39位で 224gでした。
出典:総務省の家計調査(平成27~29年)より。
※家計調査でいう「こんぶ」とは、だしこんぶ、とろろこんぶ、きざみこんぶ、根こんぶなど、素材としての乾燥した昆布を総称しています。
昆布の消費額(年間の購入金額調査)も調べてみました。
こちらは、同じく平成27~29年)の家計調査より、都道府県県庁所在都市、政令指定都市での一般世帯のデータを基にしています。
富山市が他を大きく引き離し1位で、2073円です。富山のみが2000円代なのです。県庁所在地・政令都市別のデータが確認できる1960年以来、2013年を除いてずっと1位です。
2位は盛岡が1471円
3位は福井が1406円
4位は金沢が1394円
5位は山形が1382円
そして、札幌市が638円で50位とかなり下位にいます。
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6年前の秋と冬に2か月連続訪れたのが、昆布消費額第一位を連続している富山県でした。
伺うまでは富山がそれほど昆布の大消費地だとは知らずにいました。私の中で昆布の消費地としては、それまでに旅行や仕事で行った沖縄や京都大阪だと根拠はありませんが、思っていました。
その滞在時に富山県内をぐるっと回りました。行く先々の町でコンビニや地元スーパーに、海苔おにぎりと同等かそれ以上のスペースを取って、「とろろこんぶをふわっとまぶしたおにぎり」が、多品種で並んでいることに気が付きました。最初は軽い不思議ネタでしたが、だんだん気になってしょうがなくなりました。
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一緒に回ってくださった、県庁の方、各町の観光協会の方、友人、地元のミセスにインタビューしました。その結果は次の通りです。
富山県民にとってとろろ昆布は身近な食材であり、さまざまな郷土料理に使われています。
そのなかのひとつが、「とろろ昆布おにぎり」です。外側には、白とろろ、黒とろろ、おにぎり昆布におぼろ昆布などがまぶされ、中身は梅干しだけではなく、昆布のつくだ煮を入れた“ダブル昆布おにぎり”さえありました。
目の前で高校生が、おやつ代わりに買って店内のイートインコーナーで、とろろ昆布おにぎりを食べていたのを見て、本当に富山の人はこのおにぎりが好きなんだと実感しました。
富山では昆布をだしや料理素材に幅広く使い、昆布巻きや昆布締め、とろろ、昆布かまぼこなど、昆布料理や加工品が豊富です。昆布締めなどを含む「魚介の漬物」の支出金額が20年以上連続1位であることもそこに起因するのではないかと推察しています。
明日は富山と羅臼町の関係などを少しだけ書きます。