北海道と言えば その2「北の国から」でしょ。
全国のロケ地や周辺の観光地などを紹介する専門誌「ロケーションジャパン 10月号」の「いつか行きたいロケ地ランキング」という特集で、富良野市が1位に選ばれました。「北の国から」が放送終了後18年たった今も根強い人気があることがその背景にあります。この雑誌は「地域活性プランニング」が発行しており、創刊第100号の記念号で、6月に20歳以上の2千人を対象にインターネットアンケートを実施し、過去に取り上げた113地域から「いつか行きたいロケ地」を選んでもらった結果、富良野市が一位に選ばれたのです。
9月15日(火)発売10月号 「いつか行きたい」ロケ地ランキング2020
1位.北海道 富良野市 × ドラマ『北の国から』 ほか
2位.岐阜県 飛騨市 × アニメ映画『君の名は。』 ほか
3位.岩手県 久慈市 × 連続テレビ小説『あまちゃん』 ほか
4位.香川県 庵治町 × 映画『世界の中心で、愛をさけぶ』 ほか
5位.沖縄県 与那国町 × ドラマ『Dr.コトー診療所』 ほか
6位.東京都 渋谷区 × ドラマ『花より男子』 ほか
7位.北海道 小樽市 × 映画『Love Letter』 ほか
8位.広島県 尾道市 × 映画『時をかける少女』 ほか
9位.神奈川県 鎌倉市 × アニメ『SLAM DUNK』 ほか
10位.北海道 十勝エリア × 連続テレビ小説『なつぞら』 ほか
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この記事を読んだ時に、2012年に富良野・美瑛観光圏の調査分析の仕事で富良野市を訪れたときに、観光担当者と話した会話を思い出しました。
「ふらの=北の国からというイメージがもう通用しないという恐怖があります。10年前に終わってしまった、特別編を見てくれていた仮に12歳が今22歳。まだ大学生や社会人として富良野を聖地として来てくれていますが、あと10年後にはどうなることか」
この話を聞いたとき、ピークを過ぎても有名観光地としてまだ多くの来訪者を迎えている地域というのは、先を深刻に考えているということに驚きました。
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ドラマ「北の国から」は、倉本聰さん脚本。広大な富良野の大自然を舞台に、黒板家と彼らを取り巻く人間模様を描いたドラマでフジテレビ系列で1981年から放映されました。ストーリーを一言で言うなら、東京で暮らしていた黒板五郎(田中邦衛)が息子の純(吉岡秀隆)と娘の蛍(中嶋朋子)とともに故郷の富良野に移住するというもの。電気も水道もない小屋でのランプと薪だけの暮らし、沢から水をひく水道工事、丸太小屋作り、くんせい作り、風力発電などなど。
24話のTVシリーズが終わった後も、単発のスペシャル版が8作品放送され、いずれも高視聴率を獲得しまsみた。最後のスペシャル版『北の国から2002 遺言』前編の視聴率は38.4%。国民的人気ドラマと言われています。最後の放送から18年経った今でも人気は衰えてはいません。
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1981年~2002年の間、長期に亘る北海道ロケを行いました。冬の厳しさをはじめとした、北海道の厳しくて美しい自然も素晴らしかったです。キタキツネ、エゾリス、エゾシマリス、エゾシカ、クマゲラ、エゾアカゲラ、シロハラゴジュウカラ、セグロセキレイなどの動物も印象に残っています。
メインになった麓郷地区には、「五郎の石の家」「拾って来た家」「麓郷の森」の3か所があり、それぞれのロケ地の中に五郎が建てた家が今でも残されています。富良野市内にも数々のロケ地があり、聖地巡礼をする人たちが今もいます。
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2013年に倉本聰さんに講演を依頼し、その懇親会の2次会で3人(開催地の首長さん)とお話をする機会がありました。
北の国からの大ファンだった私は、「北の国からを作る上で大切にしていたことは何ですか」とお聞きしました。今振り返るととても幼い質問です。
その時倉本さんは、「人間は知識よりも知恵で生き抜くことのほうが大事なんです。都会で育った子どもたちにもそれを教えてやりたい。東京での生活の中で軽んじられた五郎が、故郷の自然の中で自分自身の生き方、座標軸を取り戻し、失われた「父権」を取り戻そうとする姿を大人にも見てもらいたかった」と話してくださいました。