成功者とそうでない人の違い その8 恩義を大切にする
8.恩義を大切にする
大物になり成功者と呼ばれる人は、子どもの頃からお世話になった人々や、一度でも助けてもらった人のことは決して忘れません。とても律儀です。節目(お中元、お歳暮、年末年始)では必ずあいさつに訪れたり、家族ぐるみの付き合いを重ねています。人からいただいた恩に報いる行動を習慣としています。
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成功者はいくら心で思っていても、感謝や謝罪の気持ちは口に出さなければ伝わらないということも理解して、行動しています。
「いつもありがとうございます」とはっきり相手に伝えることで、誠実な人間だと見なされ、自然と周囲の人に慕われることが多いのです。
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私は20代の頃、恩をすぐに忘れる同僚に腹を立てたことがありました。そのとき、上司だった常務が言いました。「こちらが相手にしたことは忘れなさい。だけど、お前が誰かに受けた恩は決して忘れてはいけない」。
その同僚は困ったときには周りに、お願いお願いと頭を下げますが、すぐに忘れて感謝の言葉も足りない人でした。そんなことを繰り返し過ぎて、本当に困ったときに誰も助けなかったことがありました。その人は周りの人が困ったときに一切助けなかったことも一因だと思います。
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ある組織を立ち上げるために、調査、計画、人選、教育、事業サポートを担当したことがあります。その組織で中心人物になってもらいたい人を数年にわたり支えました。でもその方は設立後すぐに、感謝の気持ちも態度も、言葉も忘れてしまいました。
そのとき、30年前に常務が言っていた「他人に与えた恩は忘れなさい」という言葉を思い出しました。独り立ちできるよう、持てる力や人脈を余すことなく注ぎ教え、支えた。それだけで十分なんですね。