GO TOキャンペーンだから「旅」を考える その12 日本の常識は海外の非常識?
日本とほかの国では、同じ言葉でも意味やレベルが違うことがわりに多くあります。私は13年前からインバウンドの特にラグジュアリー層の受け入れに関わってきました。その経験からは、アウトドアのメニューに違いが多い印象です。
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例えば、日本では歩いて山を登ることを「登山」と呼びます。でも、英語のclimbing(登山)は登山道具などを使った本格的なもの(垂直な角度の岩上りもここに含む)を指します。
ただ歩くだけならhikingか主流で、trekkingも使われます。クレイグさんと阿寒で3時間ぐらいのトレッキングコースをガイドと歩くとき、私は登山用の靴と服装、クレイグさんはアロハシャツの半そでと半ズボン、ビーチサンダルで来ました。コースを調べてこれは軽いハイキングだと判断したからだそうです。100名山を踏破した人にとっては、朝飯前だったのだと思います。
日本での「ピクニック」は「遠足」のことですが、英語のpicnicは「野外で食事をすること」で、特に歩く必要はありません。こんな違いにも注意してください。
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アウトドア大国、アドベンチャーツーリズムは欧米で盛んですが、北欧も大きなマーケットがあります。
その内の一つ、ノルウェーではトレッキング、キャンプ、サイクリングなどのアウトドア売り場が日本に比べて、圧倒的に大きいことに驚きます。日本だとサッカー、野球、テニスなどの売り場や季節もののスキーなどが面積を占めていますが、違った商品構成です。
nコアなアウトドアユーザーだけではなく、ライトな一般層も多いのです。自然と遊ぶことの楽しさが浸透しているからではないかと思います。また、6、7、8月の3か月が夏でそれ以外はインドアで過ごすことが多いことも理由の一つのようです。
短い夏を思いっきり楽しむために、多少の雨でも外で遊ぶのです。
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歩くことが好きなのは、ヨーロッパ人(スペイン、ドイツなどが特に大好き)と言ってよいと思います。以前スイスのツェルマットに視察に行った時に、観光カリスマで、山岳ガイドでもある山田桂一郎さんとハイキングをしました。その時「日本人と韓国人は登るのが好き、その他の国の人は縦走や下りが好きなんだよ」と聞きました。
なんとなくわかるような気がします。