子育てと仕事の両立　その10不妊治療③通算2年6か月の治療期間　

担当の先生は、「健康な男女が結婚生活を送っていたら3か月ぐらいで妊娠するもんです。1年間の治療を終えた以上貴女は健康です。でも1年間タイミング妊娠法にチャレンジしても妊娠しないとなると、次のステージに進む必要があるかもしれませんね」とおっしゃいました。

「次のステージとは？」と尋ねると、人工授精ですとの答えでした。

経済的にも肉体的にも厳しいその治療に進むという決断は出来ない私は、今の治療をもう少し続けたいと先生にお願いしました。

6か月たった1993年2月14日、バレンタインデーの日、「少し生理が遅れているな」と思いながらほんの少し淡い期待を持って病院に行きました。

妊娠していました。私は29歳6か月になっていました。2年6か月の治療が終わったのです。

先生と看護婦さんと私で抱き合って、私は号泣していました。

看護婦さんは、「この妊娠、大切にしてきましょう」と励ましてくれました。

帰り道は転んだら大変と、タクシー代を奮発したことを今でも覚えていました。

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妊娠の途中も、子宮が固い私は外出禁止になるほどの状態になったり、つわりが重かったり結構大変でした。でも、卵管造影の痛さに失神したこと。子宮内膜症で妊娠しずらいからだとわかったこと。毎月辛い気持ちで産婦人科の待合室で劣等感に包まれて座っていたことに比べたらなんてことはありませんでした。

でも、やっぱりスムーズには進まず。

逆子だった我が子は最後までそのままでした。そして、自然分娩を望んだのですが、赤ちゃんの心臓の音が弱くなり。予定日より10日後、緊急で帝王切開手術をしました。そして、なんとか無事に生まれて来てくれました。