働くことの意味 その8 移動距離は嘘をつかない
この写真は、札幌~稚内の宗谷バスです。豊富や天塩、稚内での仕事の時に利用させてもらっています。休憩場所の高速道路のSAで、隣に泊った旭川行きのバスを撮影したものと思います。ドライバーがお一人の場合は2時間に1回15分トイレ休憩があります。
このバスを含め、札幌発道内各地行きの長距離バスに全て乗っていること、フェリー、JR、飛行機に乗っていることが、北海道のプロデュサーとして仕事をさせてもらっているうえで、一つの自信でもあります。
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自分で移動している。目的地まで眠ったり、資料を読んだり、パワポを作ったりしながら4時間、5時間かけて移動しているという真実が積み重なっているからです。お迎えや同行者と一緒にレンタカーで移動するのは時間効率から行くとベストなのでしょうが、一人で車窓を楽しむ、あれこれ思いめぐらすのも悪くありません。
バスに乗っている他のお客様の属性をあれこれ想像する楽しみもあります。マーケティング調査でもあるなと思っています。
そして、たとえば、浦河まで約4時間かかるのですが最初に乗ったときと、2回目、10回目、20回目を比べると同じ距離、同じ時間なのに全くその距離感時間が違うことに驚きます。
道を覚えるのが得意と言うのもありますが、「あ、この黄色い牧場を超えたら、あと30分だ」とか、「右側のこの鉄橋と夕日の景色が最高だ」とポイントを押さえる楽しみもあります。
同じ町でも季節ごとに景色が変わります。そして、サラブレッドの仔馬のサイズも変わります。その楽しみを重ねることに比例して、私とその町のひとたちの信頼度も深まっていきます。
当初、浦河や中頓別に4時間以上かけて移動する私を「馬鹿じゃなないの?容量悪いよね」と言っていた先輩がいたことは知っています。
でも、そうやって地道に経験を重ねていくしか若手には道がありませんでした。
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道庁の方と、謝礼の内訳について話をしたときに「移動時間は業務量に含まない」と言われたり、驚いたこともありましたが、今となっては仕方がないと納得済みです。
自分を求めてくれる土地、自分の力や経験を活かせる場所があることに幸せを感じて、今日も移動する私なのでした。