働くことの意味 その13 悔しかったことは宝物
私がライターになれたきっかけは、消費生活アドバイザーとして、論文コンクールに応募して大きな賞を頂きその様子が4大紙に30×30で報道してもらえたことにあります。
そして、その記事を読んで私に興味を持ってくださった、主婦と生活社から最初の取材先に指定された方が、他の大手出版社3社に紹介してくださいました。本当に運が良かったと思っています。
つまり、文章を書くことだけが得意だった主婦が突然ライターになってしまったわけです。
新人ライターの私の原稿の直しを編集長から直接してもらう場面も多く、その後自分が編集長になったときにはその経験が活きました。
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当時は原稿と使用したい写真のポジを編集部に送付し、自分は原稿のコピーを手元に置いてやり取りをしていました。
ファクスで直しや一校、二校が届き20分以内に直して送り返すという作業を夜に行っていました。
頭が切れる、厳しい編集長に「私の意図が見えないのかしら?」と夜10時ごろ電話をもらいました。本当に冗談抜きに震えました。
必死に直して原稿を送りますが、届いたころすぐに「まだ駄目」と電話が来ます。
そのやりとりを3回ぐらい繰り返し、最後に「今回は全体進行に影響が出るから私が直す。次回も同じことがあったら、仕事の依頼はしませんから、そのつもりでね」。
自分の力のなさに、32歳の私は声を出さずに号泣しました。
あの辛さ、愛情ある厳しさは忘れません。
この編集長には、仕事のやり方をいくつも教えてもらいました。
明日そのうちの一つ、スケジュール管理について書きます。